盛岡も今日は夏だった

2007年6月28日 しばらく日記を書く暇がなかった。書きたいことはあったが、まったく時間がない。授業の準備と、合間に入る講演の準備で完全に時間が消えてしまう。そこに、ジュリスト特集「医療と法」のための「終末期医療と刑法」の原稿が加わり、完全に生…

Kathy's Song

2012年2月19日 備忘録のつもりで始めたこの日記も,身辺の都合で,メモ書きのものを書く時間さえない日々が,ずっと続いている。もう少ししないと,「普通の教授」の生活には戻れそうにない。 そんな中ででも,やはり書いておかなければならないウルトラ・ス…

Let It Rain

2007年11月22日 アンスバッハ市の聴衆20人の前での講演(地方新聞に広告まで出ていた)も何とか切り抜け,謝礼としてフランケン地方の豪華な写真集(Bildband)をいただいた。その写真集をあらためてみると,フランケン地方は,フランケンシュタインからする…

Never Be the Same

2008年4月13日 ドイツから帰国して1か月以上が経過。新学期の授業を1週間分やったが,非常に身体にこたえた。1つの原因は,1週間前の土曜に食べた皿うどんの具(サンドウィッチマン風にいうと,「死んで間もない魚介類」)にあたったのではないかと思う…

Devil's Child

2008年10月8日 ようやく教科書の校正を終え,ドイツにて数箇所で行った講演原稿を論文にした「法発見の方法」(シュワルツ教授祝賀論文集掲載)のゲラも戻した。これで,ドイツ滞在中で行った仕事のほとんどにケリをつけたことになる(実はもう1つあるが・…

It's My Own Fault

2008年11月25日 昨日は,三連休の最終日。翻訳家の藤川浩二氏を誘って,横浜・関内のストーミー・マンデーへ行く。1年以上の間隔が開くが,ラブホテルの真横に,変わらぬたたずまいで同店は存在し,その店内には変わらぬ牧野元昭の姿(とギター)があった。…

March, I Remember

2007年3月29日 風邪をひいて熱を出して寝込んだり、熱が下がったと思ったら花粉症の症状が出たり、すかっと気持ちが晴れない日が続く。仕事も思うように進まない。何か気力がわかない。別に加護亜依の引退がショックという訳ではない。今日お会いした高橋則…

Tangled Up In Blue

2007年4月7日 昔からパソコンはMacを使っている。最初に買ったのは名器といわれるSE30。プリンターと一緒で60万円ぐらいした。ワープロは、日本語についてはegwordをまだ愛用している。ずいぶん以前のことだが、「犯罪類型」という言葉を入力して変換キーを…

What A Wonderful World

2007年8月26日 大学教員であることのかえ難いメリットは夏休みが長いことである。もちろん、「夏休み」の定義が問題であり、ある人に言わせれば、われわれは一年中夏休みをとっているようなものだということになるであろうし、別の人に言わせれば、われわれ…

Stars Fell On Alabama

2009年5月6日 今はニュールンベルクにいる。ハンブルクに3泊,ニュールンベルクに3泊,ケルンに3泊という,この旅も後半になり,いわばクライマックスを迎えようとしているわけだ。 ハンブルクでは,独日法律家協会会長のグロテア氏を自宅に訪ねてアスパラガ…

They Can Imitate You, But They Can't Duplicate You

2006年11月13日 園田寿さんの書いた説教強盗の文章を読み、テレビで自殺に関するニュースを見ていて、タルドによるものであったか、犯罪や非行やその他の顕著な社会的行動は模倣されるという理論を思い出した。犯罪学の仮説としてももっと研究されてよい考え…

Beyond an Unreasonable Hope

2006年11月3日 ある雑誌から依頼された原稿の締切りが近づいているが、何ら準備もしていない。論題は、「刑法における学説と実務」。そういえば、最近、上田閑照『西田幾多郎とは誰か』(岩波現代文庫)を読んだ。この本は、西田哲学にとっての基本的問いか…

Never Let Me Go

2008年12月15日 著名なロクシン教授から,来年の刑法学会60周年記念大会における記念講演の原稿が届いた。締切りよりも1月も早い。メールが来るテンポも異常に早く,こっちが1通出すと向こうが3通書いてくるというペースである。彼の秘書が書いているよう…

Too Young To Go Steady

2008年12月26日 もともと「授業負担」という言葉はおかしい。大学教員にとり本質的に重要な仕事なのであり,何よりきわめて勉強になるのだから,外在的な負担として把握するのは筋違いなのだ。そうはいっても,「授業負担」はわれわれの生活実感である。そし…

Softly, as in a Morning Sunrise

2006年12月6日 50年も生き恥をさらしているが、うち7年近くはドイツにいた。人生の10分の1以上をドイツで過ごしているのだから、どこかがドイツ人化してくることも怪しむに足らない。 1つすぐ思いつくのは、夜にお風呂に入らず、朝に風呂に入る性癖である。…

Presence Of The Lord

2006年11月11日 最高裁刑事局の裁判官たちとの研究会(今日のテーマは量刑)を終えたその足で、東京駅から新幹線で岡山までやってきた。今は岡山のビジネスホテルにいる。裁判所から地下鉄の駅までは若手ぴか一の俊秀J大学のS君と一緒に帰った。よもやま話…

Do Nothing Till You Hear From Me

2009年12月13日 ドイツで7回ほど冬を越えたことが奇跡に思えるほど寒さに弱いので,エアコンなしに書斎で仕事をすることはできない。11月にエアコンが壊れたことが判明したとき,躊躇なく新しいものを取り付けることを決めた。今度もダイキン。コーヒーメー…

I Wanted To Say

2006年11月2日 この数日間呻吟した刑事法ジャーナルのための連載原稿をようやく編集部に送った。本当であれば、読まなければいけない文献がいくつもあることはわかっており、考えなければいけない論点がいくつも残っているのはわかっているけど、手から放す…

蒼いフォトグラフ

2010年5月2日 出張からの帰り道,松本隆が作詞した曲を集めたアンソロジーを購入する。われわれの世代は,文学作品や哲学書よりも,松本隆や吉田拓郎の詩に影響され,思想を決定された気がする。高校時代から大学時代にかけて,太宰治,高橋和巳,廣松渉など…

Verbrechen

2010年11月14日 フランクフルト空港の売店でかなりの時間をかけて一冊のペーパーバックを選び出しそれを買おうとすると、店員さんに「とてもよい本を選んだよ、あなた」といわれた。ドイツ語には「お目が高い」という表現はあるのだろうか。その本は、ベルリ…

On Green Dolphin Street

2009年10月30日 あしたのジョーの最終回が載った少年マガジンは,ウィキペディアによると,1973年5月13日号だそうだ。高校3年生だったことになる。東横線のどこかの駅(武蔵小杉か〔ちなみに,この駅名は「たけぞうこすぎ」と読む。「むさしこすぎ」とか「…

I Thought About You

「欅」第13号の刊行に寄せて(2004年12月17日) いま「欅」のバックナンバーに目を通しています。ふと私が高校生のときに書いた一つの作文のことを思い出しました。髪を肩までのばし、ベルボトムのジーンズ姿で歩き回っていた頃のことです。その作文のタイト…

Matthäus-Passion

2006年10月31日 今日と明日は二晩続きでドイツ関係の会合である。日独交流のため、自分にできる範囲内でできることはする、というのが人生の課題でもあるから、本当は嫌いな社交の場にも出て行く。靖国問題とか問われてうまく表現できず、本当にドイツ語は難…

Yesterdays

2007年10月18日 エアランゲンに到着して一週間が経過した。27年前に2年半過ごした町であり、10年前に1年間生活し、2年前に2ヶ月間いた場所であるから、戸惑うことは余りない。こちらのフランツ(・シュトレング教授)も、立派な部屋を用意しておいてくれ…

You Must Believe In Spring

2007年5月14日 鶴見俊輔の『埴谷雄高』を読む。『死霊』を読もうという気にはならなかったが、この人が一生を書けて格闘したものをかいま見た感がある。ただ、昭和は遠くなりにけりというか、議論の中に懐かしさも感じてしまった。それにしても加藤典洋さん…

中の島ブルース

2010年5月3日 大阪はとても好きな場所だが,そこに勤務先の大学の出張所がある。中の島にあるので,別称「中の島ブルース」という(うそ)。さる3月にそこで3時間の講義をしたのだが,あやうく「ブラウン首相事件」の先取り事件を起こすところであった。 大…

Why Does Love Got To Be So Sad?

2007年1月18日 いつ「レイラとその他のラブソングの詰め合わせ」に出会ったのか憶えていない。クロスローズとホワイトルームでその超人的なギターに驚かされて以来、エリック・クラプトンは「クラプトン」(アクセントなしで心持ち「トン」に力点を置く発音…

Johannes-Passion

2007年4月7日 今日は(もう昨日となる)、バッハ・コレギウム・ジャパンのヨハネを聴く。鈴木雅明さんがパンフレットに書いているように、マタイは、ど派手でドラマチックであり過ぎるから、むしろヨハネに軍配を上げる人も多いのであろう。それでも、ストー…

With Love, from Sie to Du

2006年11月8日 ドイツ語のような言語では、ファーストネームで呼びあう間柄であるかどうかで、相手が主語になったときに動詞が異なる。考えてみると、Sieの話し方とDuの話し方の2種類しかないというのは、基本的に身分や地位の区別がそれほどなく、比較的平…

Visions of Johanna

2006年10月27日 ボブ・ディランについての記録映画「ノー・ディレクション・ホーム」(マーティン・スコセッシ監督)の中で、アレン・ギンズバーグが「激しい雨が降る」をはじめて聞いたときに泣いたと回想する感動的な場面が出てくる。当時のことを思い出し…