Tangled Up In Blue

2007年4月7日

昔からパソコンはMacを使っている。最初に買ったのは名器といわれるSE30。プリンターと一緒で60万円ぐらいした。ワープロは、日本語についてはegwordをまだ愛用している。ずいぶん以前のことだが、「犯罪類型」という言葉を入力して変換キーを押すと、必ずフリーズするという症状が出るようになったことがある。直し方が分からないから(ソフトを再インストールすればよいのだが、そのことを知らなかった)、付箋で「犯罪類型禁止」と書いて、パソコンのモニターのところに貼っておいた。ところが、よく使う言葉なので、変換キーを押す直前に気づくのだが、勢いでやはり押してしまう。フリーズ。そのたびに、付箋を増やして、そのうちにSE30の前面には「犯罪類型禁止」と書かれた無数の付箋が貼られるようになった。なんであんなにバカだったのだろう。

昔、全裸で家を出て、電車に乗ってから自分が全裸であることに気づき、どうしようと思って焦る、という夢を頻繁に見た。それから、悪者に追いかけられて、走って逃げようとすると、すぐに落し穴に落ちて、びっくりして目覚めるという夢も頻繁に見た。どちらの夢もこのところ全然見ない。今でも見続けているのは、空を平泳ぎする夢である。これはいちど空に上がると、平泳ぎし続けなければ落ちてしまうので、ずっと平泳ぎし続ける。はなはだ疲れる。とにかく落ちないように平泳ぎし続けるのである。これはもう学生時代から見ている。このあいだ、北島選手の水泳のレースをテレビで観ていて、今日の夜あたりは危ないな、と思ったら、やはり見た。調布の空を必死に泳ぎながら、朝起きたら各論のゲラを見なければいけないななどと考えていた。この夢、いつまで見るのだろう。

初月給の話。はじめて助手としてもらったお給金で高級万年筆を何本か買い、お世話になった何人もの先生の研究室を回り、感謝の気持ちとか言って差し上げたことがある(ちなみに私は、私の弟子たちからそんなものをもらったことがない)。ある先生であったが、いや有難うといって、机の引き出しにしまうのをたしかに見た。その数十年後、その先生が定年退職で研究室を引き払うときにお手伝いをした。同じ引き出しに包装紙に包まれたままの万年筆があった。これを持ち帰ると窃盗罪になるかどうか考えた。突然であるが、この場を借りて、恩師・宮澤浩一先生のご冥福をお祈りしたい。