First Love

2007年4月14日

昨年から、ある弁護士会の綱紀委員会の外部委員をしている。簡単にいうと、弁護士に対する懲戒請求のあった事例につき、懲戒委員会に付すべき事例かどうかを審査するのである。それなりに責任がともなうことは事実であるが、別に意見を述べることを求められる訳ではなく、数十人(たとえば、40人)のうちの1人として議決に参加するのでそれほど責任が重い訳ではない。

今回、別の弁護士会で、臨時に懲戒委員を務めることになった。これは段違いに責任の重い、困難な仕事である。私じしん、学部や高校で(学生や教職員に対する)懲戒事案の処理にあたった経験はかなりあるので(多くの大学教員はそうであろう)、慣れていない訳ではないが、懲戒対象が弁護士ということもあり、なかなか心に負担がかかる。

とはいえ、実務家はこういう仕事を日常的に行っているのである。象牙の塔にこもっている学者先生だからこそ、この程度のことでドギマギするのであろう。私には、机の前に座って本を読んだり何か文章を書くのが合っているのであり、願わくば、他人との接触は、せいぜい学生の前で授業をするぐらいということで、これからは勘弁してもらいたいと思っている。隠居生活をしながら、ライフワークである『理論刑法学の思想と方法』を書こう。

初体験といえば、今年は法科大学院の医事法の授業を土曜日の1限に入れた。これが素晴らしく快適である。電車は空いていて、ストレスなく大学に行けるし、キャンパスも空いていて、あまり人と会わなくてよいので気が楽である。学生諸君には迷惑な面もあるかもしれないが、それでも月曜から金曜までそれほど授業が詰まっている訳ではないだろう。土日ぐらいは休まないと身が持たないというのでは必ずしもないだろう。これからは土曜一限を活用することにしたい。