Inside Looking Out

2006年10月25日

筑波大学法科大学院秋葉原にある。学生はみんな感じがいい。職員さんも親切である。授業を終えると午後9時をまわる。授業の後のほてった頭でヨドバシカメラにあるタワーレコードをのぞくというのが、習慣となってしまった。必ず何か買うので、おそらく非常勤の謝礼はそのまま消えてしまっているのではないか。2万円ぐらいするはっぴいえんどのボックスセットを買ったときには当然のことながら完全に赤字なはずだ。

このあいだ、グランド・ファンク(レイルロード)のベスト盤に未発表の映像をDVDとして付けたものを発見し、ただちに購入した。ベスト盤じたいはは同じ内容のものを数枚(!)持っているし、そもそもオリジナルをすべて持っているのでまったく必要がない。お目当てはDVDである。たしかに見たことのない貴重なものばかりで満足した。特にシェアスタジアムの伝説的コンサートの映像は素晴らしいものであった。

ただ、中学生のときにたった一度だけテレビで観た「孤独の叫び」のライブバージョンはそのDVDにも含まれておらず、残念という思いと、気長に再び出会えるのを待つ喜びがまだ残るのでほっとしたという思い(それほど早く夢が実現されても困る)という両方を味わったのであった。そのライブバージョンは、きわめてワイルドなパフォーマンスで、その後、次第に洗練化されていく彼らの音楽の中で失われていった要素をふんだんに含むものであった。曲のエンディングでマークファーナーがギターを股間に押し付け、後ろ向きにのけぞる(英語嫌いなのに原語で読んだマークファーナーの伝記によると、ギターを女性に見立てて性的な体位を連想させるためのポーズだったそうで、ほどなくやめてしまったという)シーンが何よりも興奮させるのである。あれほど素晴らしい映像なのだからいつかDVDになって発表されるはずだというのが私の予想だったのである。

ところがである。ひょんなことからそれを再び見ることが可能になった。ちょっと気になって、YouTubeに「grandfunk」と入れて検索をかけてみたところ、完全バージョンが発見されたのである。1970年ぐらいのコンサートの映像らしい。画質の悪さが気になるが、まぎれもなくその映像であり、エンディングも含め記憶は正しいことが判明した。

ということで、楽しみが減ってしまったような感じを抱いている。ただ、より画質のよいバージョンが見れる日が来るかも知れないし、シェアスタジアムのライブ映像の完全盤も発表される可能性もある。それまで、同じCDの再発売でも、紙ジャケ仕様でも、重複しても何でもいいから、買い続けるつもりである。再結成話にはほとんど興味がない。一昨年のマークファーナーの講演(中野サンプラザ)はもちろん見に行ったが、やはりあのときの若々しいマークファーナーが見たいのである。そして、そのマークファーナーに興奮していた自分自身に会いたい。