March, I Remember

2007年3月29日

風邪をひいて熱を出して寝込んだり、熱が下がったと思ったら花粉症の症状が出たり、すかっと気持ちが晴れない日が続く。仕事も思うように進まない。何か気力がわかない。別に加護亜依の引退がショックという訳ではない。今日お会いした高橋則夫さんは、学期中とは異なりあまり人に会わず生活しているので、気持ちが内向きになる、という趣旨のことを言っておられた。孤独を愛する私に限ってそのようなこともないであろうが、一概に排除することもできない。いずれにせよ、そろそろ新学期の準備を本格的に開始しないとヤバいということだけははっきりしている。分かりました。明日から新学期の準備に入ります。

ところで、先日は、ある方の最終講義に出席した。ゲストの方のご挨拶を聴くうち、結婚式の披露宴のような感じがしてきた。披露宴と最終講義と葬式では、人は褒めてもらえるということであろう。しかし、私の場合、人前で人に褒められたりすると、恥ずかしくてじん麻疹が爆発的に出て、耐えられない状態に陥ること必定である。せっかく披露宴はしなかったのであるから、最終講義もパスさせてもらうことにしよう。まあ、葬式の場には自分はいないからどうでもいいが。

卒業式と入学式の式辞の心配をしなくてよい3月は素晴らしい。昨年は、それだけで気分が重かったのを憶えている。とはいえ、自分がこれまで聴いた、この種の式辞や祝辞のなかで、記憶に残るようなものはあまりない。自分のときの大学の卒業式で聴いた石川忠雄塾長の式辞ぐらいか。ここぞというところで福澤諭吉が引用されたが、その引用文の内容も悪くなかった。まあ今後、式辞や祝辞のことで再び心配するようなことはないだろう。

まったく関係ないが、4月からなんと医学部教授を兼務することになった。ある教室で1年に1度、私を講義に呼ぶにあたり、教授の呼称を下さるというのである。もちろん固辞したのであるが、いつの間にかそういう話となった。まあ、医学部教授の肩書きを担えるのも珍しいことなのだから有難く担うことにしよう。ちなみに、専門は麻酔学である(笑)。

立花隆『滅びゆく国家』(2006年・日経BP社)を読む。素晴らしい。いくつかの点で目を開かれた。後半の、政治の動きを完全に予測し損なっている点を含めて、素晴らしい。そのまま、同じ著者の『天皇と東大』を読みはじめる。

明日は、日吉で学位授与式。